January 14, 2005

ライス国務長官に対する黒人の反応は

シカゴ・トリビューンに書かれたドーン・ターナー・トライスのコラムを訳した。
少し前になるがブッシュがライスを国務長官として任命した頃(昨年11月)に
書かれたものだが来週に迫る就任式にあわせて。
 
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成功後の行動こそ重要
 
先週のコラムで私は友人との議論について書いた。彼女は多くの私達アフリカンアメリカンは何故コンデリーザ・ライスの次期国務長官任命のニュースに対してそれ程喜んでいるようではないのかと疑問を投げた。コラムで私はライスの昇進が我々の想像力をかき立てない理由について自分の考えを書いてみた。もし承認されればライスは初のアフリカンアメリカン女性の国務長官となる。にも関わらず、その素晴らしい達成に対する私達アフリカンアメリカンのリアクションは彼女を任命した大統領の再選と同じくらい興奮に満ちたものだったーつまり89%の黒人投票者は少しも嬉しくないという事だ。
 
前回のコラムをフォローしようと思った理由は、ライスの熱狂的支持者達からの膨大な量のEメールや投書だ。彼らのことを仮に「ライスのような黒人を支持する読者」と呼ぼう。このグループは私がコラムで人種について触れると大抵飛びついてくるのだが、先週のコラムについては明らかな怒りと熱意が感じられた。何人かの読者は保守派アフリカンアメリカンのエッセイを読むようにとよく私に勧める。どうもその右よりの考えや論証がアフリカンアメリカンによって語られているという理由だけで私が気に入るとでも思っているようだ。
 
彼らの期待外れにおわる。
 
最終的に重要なのはメッセンジャーではない。
納得できない多量のメッセージの存在とそれが入っている入れ物は無関係だ。私が受け取った圧倒的大多数の意見はこうだ:「人種について触れない黒人はよい人物である。人種ついて話してはいけない。カラーブラインドの社会に共存している振りをするのだ。」
勿論人種について大ぴらに話さないようにすることも可能だが(「ライスのような黒人を支持する読者」はそれを強く願っている)長い目で見ると沈黙はいかなるコミュニティーにおいても何の助けにもならない。
 
ライス支持者の何人かは私(又は他のアフリカンアメリカン)がライス程の成功者を見本として認識できないのなら他に一体誰がいるというのだ!?と問いかける。 そして彼らは他の選択肢を挙げはじめる。 例えば、ミシガンで馬鹿げたケンカ騒ぎを起こし残りシーズン停職処置を受けたNBAインディアナペーサーズのロン・アーテストとか。 裕福で有名で黒人だからという理由だけでロン・アーテストが見本として掲げられるべきでないと信じるのと同じく、高学歴で成功して黒人であるからといって自動的に見本になるなどという考えも私は却下する。
 
彼らがその才能を使ってどのような選択をし行動するか、が問われるべきなのだ。
プリンストン大学で宗教とアフリカンアメリカン研究の教授を務めるコーネル・ウエストがNPRのタビス・スマイリーショーでそれを見事に言い表わした。 それはスマイリーが、ライスやパウエルは外交官的職業を考えている子供達にとって見本となるか、という質問をした時だ。
「偉大であるという事は、真実をいう事であり、正義を求める勇気である。
若者に向けて言うアドバイスとして最悪であるのは、『不当な現状に協調してでも成功しろ』という事だ。それは『不当な現状に妥協せずに偉大であれ(正しくあれ)』の全くの反対になる。」とウエストは語った。
 
ライスが努力を重ねてここまできたという事に議論の余地はない。彼女の政治的・キャリア的戦略は多くのノントラディショナル層(注・元来彼女をサポートしないグループで主に保守的白人層を指していると思われる)から熱狂的支持者を集めた。その事実は彼らからの投書から強く伝わってきた。
 
彼女の支持者は彼女の聡明さと知性に惚れ込んでいるようだ。まるで彼ら自身を彼女の中に映し見ているようにー質素な家庭から、自分自身の力で立ち上がり道を切り開いてきた(直訳は「靴ひもで自分を引き上げる」)荒くも強い人間―。 
 
この伝説を作りあげそして維持する人々をライスは見つけたのだ。
 
私達アフリカンアメリカンの一部の考え方が様々な問題において余りにもかけ離れているという事実にはもう驚きもしないが、私達はお互いの意見を知ろうともしなくなってしまった。
 
私に言えるのはブラックコミュニティーにおいてやるべき事は山程あるという事、そしてその多くは1つ1つの家庭の中にはじまる。 しかしその中の大勢はその旅(戦い)に必要な靴や靴紐さえも持たないというのもまた現状なのだ。
それは被害妄想とは言わない。「現実」でしかない。
 
 
 
 
英語の方がお勧めです。
 
 


sistah at 11:38│Comments(4)clip!ニュース・記事 

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1. ブッシュ米大統領、パウエル長官を絶賛  [ NewsToday-3 ]   January 25, 2005 13:46
ブッシュ米大統領は17日、ワシントンで開かれた黒人の公民権運動指導者、 マーチン ルーサー キング牧師の記念式典で演説し、同牧師の功績をたたえる一方、 壇上のパウエル国務長官を絶賛した。 (全文は引用元をご参照ください) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=2005

この記事へのコメント

1. Posted by neenah   January 14, 2005 23:49
Sistah、これ、めっちゃ同感。すんげ〜頷きながら読んじゃった。いろいろ言いたいこと・思ったことはあるんだけど・・・

>ブラックコミュニティーにおいてやるべき事は山程あるという事、そしてその多くは1つ1つの家庭の中にはじまる。 しかしその中の大勢はその旅(戦い)に必要な靴や靴紐さえも持たないというのもまた現状なのだ。それは被害妄想とは言わない。「現実」でしかない。

これ、めっちゃずしーーーんときた。ほんとにその通りだよ。これ、うちのゲトーの現状そのまんまだ。

すばらしいブログをどうもありがとね。



2. Posted by んでる   January 15, 2005 08:02
>若者に向けて言うアドバイスとして最悪であるのは、『不当な現状に協調してでも成功しろ』という事だ。それは『不当な現状に妥協せずに偉大であれ(正しくあれ)』の全くの反対になる。

天才の言うことは、さすがに違いますな〜。
たださー、これがみんなよくわかってないんだよね。
そしてやっぱりこれを達成するためには、普通を超えた愛の力がどうしても必要なんだよね。

MLKホリディが近いけど、彼が一生懸命同胞である黒人に向けて語っていたことは、まさにこの愛の力だったよね。愛は、物質主義に取って代わり、偉大であることは成功に取って代わって腐ってしまっていることに、どうして誰も気が付かないんだろうか。
3. Posted by Sistah   January 21, 2005 12:44
**Neeちゃんへ**
Neeちゃんにハンコ頂けるとほ〜んと嬉しいわー。
私もこれ読んだ時共感でふるえたよ。
彼女のコラムこれが初めて読んだやつなんだけどね。

いつもNeeちゃんのコメントには励まされてます。
ありがと〜〜〜!!!
4. Posted by Sistah   January 21, 2005 12:55
**んでるちゃんへ**
ほんと、彼のこの一言すごすぎるよね。
最近読んだ彼の別のコラムでもやっぱり同じ事に触れてて
そこではかなりこの『不当な現状に協調してでも成功』しようとする若者達に対して同情的な感じがした。
まさにんでるチャンの言うその愛の必要さについて(そこで彼は「Grand Parentsから受け継いだもの」というような言い方してた)触れていたよ。

本当にRichな人生はServeすることで得られるとも言ってたけど、
そのServeで得られる喜びよりも物質で得られる喜びを選んでしまうのは
この世の中への諦めの象徴のような気もする。

PS.ブッシュの就任式もあったことだしね、あ〜あ・・・

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アメリカ在住約15年のしすたといいます。
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